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2016-04-09【恋愛】
第3回新恋愛心理学-依存と恋愛の関係-
【依存と恋愛の関係】
今回も身もふたもないお話です。
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恋愛に対する誤解で二番目に多いのが、依存性を「恋」または「愛」だと思うことです。
ここで言う依存性とは、
「誰かが自分の面倒を見てくれる、あるいは自分の代わりに責任を負ってくれなければ、不全感に悩んだり、安心して行動できなかったりすること」
と定義します。
依存性を必要性と言い換えてもいいし、寄生と言い換えてもいいでしょう。
たしかに私たちには、依存欲求と依存感情があります。
誰にでもです。
たとえば、
・何もせずに世話されたい、
・強い人に保護されたい、
・無条件に愛されたい、
などなど。
(賢明なる読者は、「これは、ひょっとして退行?」と思われたのではないでしょうか。正解!)
しかしながら私たちの中にある上記のような依存欲求や依存感情が、私たちの人生を支配してはいないでしょう。
ところが、信じられないかもしれませんが、
依存性の強い人は、愛(だと本人は思っているもの)を獲得するのに忙しすぎて、誰かに愛を与えることができない(と思い込んでいる)のです。
いつも心の中に空虚感を感じ、愛に満たされるという経験がない。
自分の一部を失ったまま生きているような感じ、全体としての満たされた自分を知らない。
もちろんアイデンティティなど持ち合わせておらず、たえず他人の評価、ものさしでしか「自分」の立ち位置を認識できない。
人との関わりのなかでしか「自分」というものを感じることができないと言えます。
そうすると「孤独」を非常に怖れます。
「孤独」でいることは、依存性の強い人たちにとっては、存在そのものを否定されたような錯覚に陥ることを意味するのです。
挙句、
「わたしは、彼(彼女)なしでは、生きてはいけない」
ということになります。
(↑これの裏返しが「わたしなしでは、あの人は、ダメになってしまうのです」という共依存特有のフレーズになります。余談でした)
「自分」というものを与えてくれる誰かが居れば、その与えられた「自分」に”なる”ことには何の抵抗もないのです。
(カメレオンのようなものですね)
相手が健康な大人であれば、依存性の強い人と付き合うのは、とてもむずかしいといえます。
短い時間のうちに、窮屈になり、圧迫感を覚え、距離をあけていくことになるでしょう。
だから、依存性の人は、依存性の人と付き合うこともしばしばです。
あるいは、短期間に何人もの恋人を渡り歩いたりもします。
もし、自分の人生を振り返って、
1.短期間のうちに、何人もの恋人を取り替える傾向にある。
2.自分がどんな人間で、これからどんな人間になっていきたいのか、ということに関心がない。
3.人から「あなたは、○○な人ですね」と言われると、そのような人になろうとする。
4.出来る限り人と争わない。競争しない。和を乱したくない。
5.とりあえず、「いい人」になっておく。
程度問題ではありますが、上記のような特性に心当たりがあるようなら
とりあえず、早めに心療内科なり、カウンセリングなりを受けてください。
依存性と縁を切るには、少々時間がかかります。
早めに手を打ってくださいね。
さて、次回は、「依存性からの脱出」と、できれば、「自己犠牲という名の恋愛」を書きますね。
では、次回はまた来週。
芳野 正彦
日本嗜癖行動学会正会員
米国アライアント大学大学院精神病理学履修
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