カウンセラーコラム

2014-06-30【研修レポート】

SV奮闘記
          SV奮闘記


早いもので、私がSV(スーパービジョン:先達カウンセラーが後発カウンセラーの成長を援助すること。詳しくは沖島カウンセラーのコラムをご覧くださいね)を担当するようになってからもう3年になります。

その経験のなかで、一番肝に命じないといけないと感じているのは、
「スーパーバイザーの在り方がバイジーに伝わる」ということです。

スーパーバイザーが率直でなければバイジーも率直になれないし、
受容的でなければ、受容的になれないし、
踏み込むことができなければ、バイジーの踏み込む力は育ちません。

これはどんなコミュニケーションにおいても言えることだと思いますが、見本になるような在り方を体現することを目標としていても実際は毎回こうすればよかった、ああすればよかったと反省の連続です。

カウンセリングの場合、クライエントに対して「あなたの人生だから最終決定はあなたがすればいい」という立場を取りますが、スーパービジョンはバイジーが受け取るところまで責任をとる必要があります。
つまりバイジーに「こうなってほしい」と期待をかけたところで、自分が出来ている範囲でしか責任をとれない、ということです。
子育てと同じですね。
子は親の鏡。バイジーはバイザーの鏡。

だから、自分もより一層精進しなくちゃと前向きになる反面、この私がやっていいのだろうか、と悶々とする日々の始まりでした。
スーパーバイザーとしての私はそんな自分を認めてあげようというところから始まりました。

<奮闘その1  ~「当然」を疑おう~>

3年前のあるスーパービジョンでのこと。

バイジー:だからね、先生。クライエントは不倫に終止符を打ちたいけど打てないと悩ん
     でいるわけですよ。
舞原:  ふんふん。なんで終止符を打ちたいって?
バイジー:え、聞いてません。だって、不倫なんだから当然じゃないんですか?
     だいたい最初から辛いって分かってるのになんで不倫なんかするんですかね。
舞原:  ねえ、なんでやろね。その疑問、聞いた?
バイジー:聞いてませんよ。本人わかってないんですよ。わかってたらしないと思います。
舞原:  わかってないかなあ。聞いたら、案外いろんなこと考えてるかもよ。
バイジー:そうですかね。私には愚問に思えるんですけどね。
舞原:  あのお、クライエントの気持ち、確認する気あります?
バイジー:やだあ、あるに決まってるじゃないですか!するべき時はしてます!
舞原:  今がその時やと思うねんな。不倫やから終わらせたいと思ってるはず、と思い
     込むのは危険と思わない?
バイジー:え~、そうですか・・・はい(まだ腑に落ちない様子)
舞原:  なんか、納得いかない感じ?

で、ここから「愛人生活のほうが気楽でいい」とか、「クライエントは生育歴のせいで成就しない恋愛のほうに惹かれる」とか、「ファザコンで超年上の男性が好きでたまらない」とか、「男性よりお金が好き」とか、「仕事上のメリットがある」とか、「実は産業スパイだ」とか、(なぜ不倫に踏み込んだのか)

「この恋愛で受け取っていた経済的メリットがなくなった」とか、「他に好きな人ができた」とか、「子供が欲しくなった」とか、「彼が3番目の女を作った」とか、「本気で好きになっちゃった」とか、「家族にばれた」とか、「引越しするから」とか、「産業スパイを首になった」とか、(なぜ終止符を打ちたいのか)

いろいろと他の可能性を挙げてみるのですが、長年かけて培われてきた「こういうものだ」という思い込みは殊のほか強く、人はなかなか他の可能性を受け入れるのには抵抗があるようです。

もっと言い方を工夫して伝えれば受け取ってもらえるのかな~などと考えてから、はた、と気づきます。 

私こそ、なぜバイジーがそう思い込むのか聞いてなかったやん、と。
バイジーはバイザーの鏡。



さて、たいていのカウンセラーが一度はぶち当たる壁に
「傷つけるのが怖くて相手にとって耳の痛いことは言えない」というのがあります。

もう少し掘り下げれば、「傷つけるのが怖い」のではなく、カウンセラー自身が「嫌われるのが怖い」だったりします。

次回の奮闘記は

<奮闘その2 ~逃げないで~>をお送りします。
お楽しみに~~
内閣府認証 日本心理専門士協会認定資格 上級心理士
株式会社JPA所属 JPA公認 上級心理専門士
一般社団法人日本オンラインカウンセリングサービス 公認カウンセラー
米国NLP協会認定 NLPマスタープラクティショナー
株式会社JPA認定 夢分析セラピスト
JPA特別対人関係講座修了
エキサイト恋愛結婚「恋愛なんでも相談室」アドバイザー
行政書士法人提携離婚相談カウンセラー